SNSやブログも要注意!「公職選挙法 やってはいけないこと ネット」徹底ガイド


現代の選挙活動において、インターネット(SNS、ブログ、ウェブサイト、メールなど)は、候補者や政党、そして私たち有権者にとっても、情報発信や意見交換のための非常に重要なツールとなっています。

公職選挙法が改正され、インターネットを使った選挙運動が解禁されたことで、誰もがより手軽に選挙に関われるようになりました。しかし、同時に、インターネット上でも**「やってはいけないこと」**、つまり禁止されている行為があることを正しく理解しておく必要があります。1

インターネットは情報があっという間に広がる便利な場ですが、誤った情報の発信や、知らず知らずのうちに選挙違反をしてしまうリスクも潜んでいます。「ネットだから大丈夫だろう」という考えは禁物です。

今回は、「公職選挙法 やってはいけないこと ネット」に焦点を当て、特にインターネットを利用する上で注意すべき禁止事項や、もし違反してしまった場合の影響を詳しく解説します。正確性を期すため、総務省や各選挙管理委員会などの公的機関の情報に基づいています。

なぜネットでも選挙運動に規制があるの?(インターネット選挙運動の背景)

2013年の公職選挙法改正により、選挙期間中でも候補者や政党、そして満18歳以上の有権者がインターネットを使って選挙運動を行うことができるようになりました。これは、多様な意見が自由に表明され、有権者がより多くの情報を得られるようにするための重要な一歩でした。

しかし、インターネットは匿名性があったり、情報が瞬時に拡散したりといった特性も持っています。そのため、公正な選挙を守るためには、インターネット上でも一定のルール(禁止事項)が必要です。主な理由は以下の通りです。

  • なりすましによる情報操作を防ぐ: 誰かが候補者本人や他の有権者になりすまして、嘘の情報や悪意のある情報を流すことを防ぎます。
  • 選挙期日当日の静穏を守る: 投票日当日は、有権者が冷静に判断し、投票に集中できる環境が必要です。そのため、ネット上も含め、一切の選挙運動が禁止されています。
  • 未成年者を守る: 選挙権を持たない満18歳未満の人が、選挙運動に巻き込まれることを防ぎます。
  • 買収や不正な働きかけを防ぐ: インターネットを使った買収や、特定の候補者だけが不当に有利になるような宣伝活動を防ぎます。2

これらの目的のために、インターネット上での選挙活動にも、実社会の選挙運動と同様に、あるいはネットの特性を踏まえた独自の禁止事項が定められています。

インターネット上で「公職選挙法、これやっちゃダメ!」具体例

それでは、インターネット上で特に注意すべき、公職選挙法で禁止されている行為の具体例を見ていきましょう。

  • なりすまし発信は絶対NG!: これがインターネット選挙運動における最も悪質で、かつ分かりやすい禁止行為の一つです。候補者本人や政党、特定の団体、あるいは他の有権者など、自分以外の人物や団体であるかのように偽って情報を発信する行為は固く禁じられています。
    • 具体例:
      • 特定の候補者の名前や顔写真を使って、本人の公式アカウントであるかのように装ったSNSアカウントを作る。
      • 他の有権者の名前を勝手に使って、ブログ記事やコメントを投稿する。
      • 特定の団体の公式発表であるかのように見せかけた偽のウェブサイトを作成し、情報を掲載する。 これは、有権者を騙し、選挙の結果に不当な影響を与えようとする行為であり、非常に重い罰則があります。
  • 選挙期日(投票日)当日は、ネットでも選挙運動禁止!: 選挙期間は、公示日(または告示日)から投票日の前日までです。投票日当日の午前0時以降は、インターネットを使った選挙運動も一切できません。
    • 具体例:
      • 投票日当日に「〇〇さんに投票お願いします!」とSNSに投稿する。
      • ブログやウェブサイトの選挙運動に関する部分を更新する。
      • 選挙運動目的のメールを送信する。
      • インターネット上の選挙運動用広告を選挙期日も掲載し続ける(設定によっては期日を過ぎると自動的に停止するものもありますが、掲載側が責任を持つ必要があります)。 ただし、選挙期間中に投稿した内容を、選挙期日以降も**削除せずにウェブサイトやSNSのタイムラインなどに表示しておくだけ(※更新したり、改めて発信したりしない)**ことは問題ありません。
  • お金を払うと制限がある!有料インターネット広告: インターネット広告は広範囲に情報を届けられますが、公職選挙法では、選挙運動目的の有料インターネット広告については厳しい制限があります。3
    • 候補者や政党以外(一般の企業や個人など)が、選挙運動目的で有料のインターネット広告(バナー広告、リスティング広告、SNS広告、動画広告など)を出すことは原則として禁止されています。4
    • 候補者や政党自身は、決められたルール(広告主の氏名や住所の表示義務など)を守れば有料広告を出すことができます。 これは、資金力のある特定の候補者だけが広告を大量に出し、不当に有利になることを防ぐための規制です。
  • 未成年者(18歳未満)は、ネットでも選挙運動禁止!:5 選挙運動ができるのは、選挙権を持つ満18歳以上の人に限られています。満18歳未満の人は、インターネット上であっても、特定の候補者への投票を呼びかけるなどの選挙運動を行うことはできません。6
    • 具体例:
      • SNSで「〇〇さんに投票しよう!」と投稿する。
      • 候補者の応援メッセージをブログに掲載する。
      • 候補者のウェブサイトやSNSを積極的に拡散する(選挙運動とみなされるレベルの場合)。 個人的な政治に関する意見や感想を表明することは問題ありませんが、「選挙運動」にあたる行為はできません。保護者の方も、お子さんのネット利用について注意が必要です。
  • 嘘の情報や誹謗中傷はダメ!: 特定の候補者について、事実に基づかない虚偽の情報を流したり、デマを拡散したりする行為は禁止されています(虚偽事項公表罪など)。また、特定の候補者の名誉を著しく傷つけるような発言は、公職選挙法だけでなく、名誉毀損罪などの他の法律に触れる可能性もあります。7
    • 具体例:
      • 候補者の経歴詐称に関する嘘の情報をSNSで流す。
      • 根拠のないスキャンダルをウェブサイトに掲載する。
      • 悪意を持って候補者の人格を否定するような誹謗中傷を繰り返す。 インターネットは情報が早く広がるからこそ、不正確な情報や悪意のある情報には十分な注意が必要です。自身が情報を発信する際は、必ず事実に基づき、冷静かつ公平な表現を心がけましょう。
  • 特定のWebサイトへの選挙運動目的の有料広告掲載制限: 候補者や政党以外が、選挙運動目的で特定のウェブサイトに広告料などを支払って、候補者の氏名や政党名を表示するような広告を掲載することも制限されています(上記「有料インターネット広告の制限」と関連)。

ネットでの公職選挙法違反、その影響は?

インターネット上での公職選挙法違反も、実社会での違反と同様に、非常に重い影響を伴う可能性があります。

  • 厳しい罰則: なりすましや虚偽情報の公表、買収など、違反行為の種類によっては、懲役や罰金、公民権停止といった厳しい刑事罰が科される可能性があります。8
  • 情報拡散のリスク: インターネット上の情報は瞬時に、そして広範囲に拡散します。一度誤った情報や違反となる情報を発信してしまうと、回収するのが非常に困難になり、影響が広がるリスクがあります。
  • 社会的な制裁: なりすましや誹謗中傷は、発信者の信用を失墜させ、炎上など社会的な非難を浴びる原因ともなります。
  • 連座制の適用: 特定のネット上の違反行為が、候補者との関係性によっては連座制の対象となり、候補者の当選無効につながる可能性もゼロではありません。

「ネットだから匿名で大丈夫」「ちょっとくらいなら」といった軽い気持ちでの違反は、取り返しのつかない事態を招く可能性があります。公職選挙法のルールを真剣に受け止めることが大切です。

ブログ、SNS、ウェブサイト…ネット利用者が特に気をつけたいこと

インターネットを使う私たち一人ひとりが、選挙期間中にうっかり違反しないために、以下の点に特に気をつけましょう。

  • 応援したい気持ちはOK!でも「運動」との線引きに注意: 特定の候補者に対する「頑張ってほしいな」「応援しています!」といった個人的な感想や意見の表明は、原則として問題ありません。しかし、「〇〇さんに投票してください!」「当選させよう!」といった、特定の候補者への投票を明確に依頼・誘導するような表現は、選挙運動とみなされる可能性があります。選挙期間外であれば事前運動、選挙期間中であればルールに則らない運動として問題となる場合があります。自分の投稿が「選挙運動」にあたるのかどうか、冷静に判断することが重要です。
  • 情報の「拡散」には責任が伴う: インターネット上を流れる選挙に関する情報の中には、不確かなものや、意図的に歪められたものも含まれている可能性があります。面白そうだから、応援したいからといって、情報の真偽を確認せずに安易にリツイートやシェア、転載などを行うと、結果として虚偽情報の拡散に加担してしまうことになりかねません。情報の出所を確認し、正確性が不明な情報は拡散しないようにする習慣をつけましょう。
  • 投票日当日はネットを見ない、投稿しないくらいの注意を: うっかり選挙運動をしてしまわないためには、投票日当日は選挙関連のSNS投稿やウェブサイトの閲覧を控えたり、自身も選挙に関する投稿を一切しないようにしたりするくらいの注意が必要です。
  • 未成年者のインターネット利用を気にかける: 保護者の方は、満18歳未満のお子さんがインターネット上で選挙運動にあたる行為をしていないか、気にかけてあげましょう。

どこで正しい情報を確認できる?

公職選挙法に関するルールは、解釈が難しい場合もあります。もし不安な点があれば、必ず以下の公的機関で正確な情報を確認してください。

  • 総務省ウェブサイト: 公職選挙法に関する情報や、インターネット選挙運動に関する特設ページがあります。
  • 各都道府県・市町村の選挙管理委員会: お住まいの地域の選挙管理委員会に問い合わせると、より具体的な状況に合わせたアドバイスをもらえる場合があります。

まとめ:ネット時代の選挙、ルールを知って賢く参加しよう!

インターネットが選挙運動の主要なツールとなった今、「公職選挙法 やってはいけないこと ネット」について正しく理解することは、選挙に関わる全ての人にとって非常に重要です。

なりすまし、選挙期日当日の運動、有料広告、未成年者の運動、そして虚偽情報の拡散。これらの禁止事項は、公正な選挙を守り、私たち自身のインターネット上での活動を守るために定められています。9

ルールを知り、守ることで、私たちはインターネットの利便性を享受しながら、責任ある形で選挙に参加することができます。正確な情報に基づき、建設的な意見交換を行い、そして選挙期日当日は静穏な環境で、私たちの大切な一票を投じましょう。

インターネットを賢く活用して、公正で開かれた選挙を一緒に実現していきましょう!

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