韓国のお正月「ソルラル」完全ガイド:伝統的な過ごし方と旅行者が知っておきたいマナー
韓国の人々にとって、一年で最も重要とされる行事が旧正月「ソルラル(Seollal)」です。日本の正月とは異なり、旧暦(太陰暦)に基づいてお祝いするため、毎年日付が変わるのが大きな特徴です。
「韓国の旧正月って具体的に何をするの?」「旅行で行っても大丈夫?」といった疑問を持つ方も多いはず。家族の絆を大切にする韓国の伝統的なお正月の風景から、最新のトレンド、そして滞在時の注意点までを詳しくご紹介します。
1. 韓国のお正月「ソルラル」とは?
ソルラルは、単なる休日ではなく、先祖を敬い家族が集結する神聖な期間です。通常、当日の前後を合わせた3日間が公休日となり、多くの韓国人が故郷へと向かいます。この大移動は「民族大移動」と呼ばれるほどで、交通機関が非常に混雑することでも有名です。
伝統衣装「韓服(ハンボク)」を纏う日
ソルラルの朝、多くの韓国人が色鮮やかな伝統衣装「韓服(ハンボク)」に身を包みます。特に子供たちが韓服を着て親戚を回る姿は、この時期ならではの微笑ましい光景です。
2. 伝統的な儀式と家庭での過ごし方
韓国の家庭では、ソルラルの当日に欠かせない重要な儀式があります。
茶礼(チャレ):先祖への挨拶
朝一番に行われるのが「茶礼(チャレ)」という祭祀です。精巧に準備された料理を祭壇に供え、家族全員で先祖に感謝を捧げます。供えられる料理の種類や並べ方には厳格な決まりがあり、家庭の伝統が受け継がれる瞬間でもあります。
歳拝(セベ):目上の方への新年の挨拶
茶礼が終わると、家族間で「歳拝(セベ)」が行われます。これは、年少者が年長者に対して行う丁寧な深いお辞儀のことです。
セベッチャ(お年玉): 挨拶を受けた大人は、子供たちに「セベッチャ」というお年玉を渡し、新年の健康や幸福を祈る言葉(徳談/トッダム)をかけます。
3. ソルラルに欠かせない伝統料理
韓国のお正月に食べられる料理には、それぞれ深い意味が込められています。
餅入りスープ「トックク」
日本でお雑煮を食べるように、韓国では「トックク(餅スープ)」を食べるのが定番です。
長寿の象徴: 長く伸ばした餅(カレトッ)を薄く切って使うことから、無病息災と長寿を願う意味があります。
一歳年を取る: 韓国では「トッククを一杯食べると一歳年を取る」と言われ、新年の訪れを実感する食べ物となっています。
ジョン(チヂミの一種)や韓菓子
肉や魚、野菜に卵をつけて焼いた「ジョン」や、米粉や蜂蜜を使った伝統菓子「韓菓子(ハングァ)」も食卓を彩ります。これらは準備に手間がかかるため、家族が協力して作る姿もソルラルらしい風景です。
4. 伝統的な遊び「ユンノリ」
家族が集まると、伝統的なボードゲーム「ユンノリ」で盛り上がります。4本の木の棒を投げ、出た目によって駒を進める遊びで、ルールが単純ながらも戦略性があり、大人から子供まで一緒になって熱狂します。
5. 旅行者が知っておきたい注意点と楽しみ方
ソルラル期間中に韓国を訪れる場合、いくつか留意しておくべきポイントがあります。
お店の営業状況を確認
以前に比べると年中無休の店も増えましたが、個人経営の飲食店や伝統市場は、ソルラル当日を中心に休業することが多いです。
百貨店や大型スーパー: 当日のみ休業、または営業時間を短縮する場合があります。
古宮や博物館: 景福宮(キョンボックン)などの古宮では、ソルラル期間中に伝統文化体験イベントが開催されたり、入場料が無料になったりすることもあるため、観光スポットとしては狙い目です。
交通機関の予約
地方へ移動する高速鉄道(KTX)やバスは、数ヶ月前から予約が埋まります。ソウル市内のみの観光であれば問題ありませんが、地方都市への移動を計画している場合は早めの手配が必須です。
6. まとめ:韓国の温かな文化に触れる
韓国のお正月「ソルラル」は、儒教の精神が今も息づく大切な行事です。現代的な都市ソウルであっても、この期間はどこか穏やかで、家族を想う温かな空気に包まれます。
もしソルラルに韓国を訪れる機会があれば、ホテルのスタッフやお店の人に「セヘ ボッ マニ パドゥセヨ(新年の福をたくさん受け取ってください)」と声をかけてみてください。きっと、最高の笑顔で返してくれるはずです。
次に計画を立てるなら
旧正月の時期は毎年異なります。旅行の日程を決める前に、必ずその年のカレンダーで「ソルラル」の連休期間を確認しましょう。伝統行事を間近で見学できる文化施設を事前にチェックしておくと、より深い韓国体験が叶います。