鏡餅の正しい供え方。裏白(うらじろ)や譲り葉(ゆずりは)に込められた深い意味
お正月を迎える準備として欠かせないのが「鏡餅」の飾り付けです。鏡餅は、新年の神様である「年神様」をお迎えするための依代(よりしろ)であり、お供え物としての重要な役割を持っています。
鏡餅を飾る際、何気なく手にしている「裏白」や「譲り葉」といった植物には、それぞれに家族の幸せや繁栄を願う深い意味が込められています。これらの意味を知ることで、ただの飾り付けが、新しい年への祈りを込めた大切な儀式へと変わります。
この記事では、鏡餅の正しい供え方の基本と、装飾品に込められた由来や願いについて詳しく解説します。
鏡餅の基本の供え方と構成
鏡餅は通常、三方(さんぽう)と呼ばれる台の上に、四方紅(しほうべに)という縁が赤い紙を敷き、その上に飾ります。
お餅の形: 鏡餅が丸いのは、昔の鏡(銅鏡)を模しているためです。丸い形は「円満」を、二つ重なっている姿は「福徳が重なる」「円満に年を重ねる」ことを象徴しています。
飾る場所: 最も格式が高いのは床の間ですが、現代の住まいでは家族が集まるリビングのテレビ台の上や、玄関など、年神様に来ていただきたい大切な場所にお供えします。
「裏白(うらじろ)」が持つ意味:潔白と長寿
お餅の下に敷く、シダ植物の一種である「裏白」。その特徴的な姿には、二つの大きな願いが込められています。
潔白と誠実: 裏白は、その名の通り葉の裏側が白いのが特徴です。「後ろ暗いところがない」「表裏のない清らかな心で一年を過ごす」という潔白さを象徴しています。
夫婦円満と長寿: 葉が対になって生えることから、夫婦仲睦まじく、白髪になるまで長生きするという願いが込められています。また、古い葉が落ちずに新しい葉が伸びる性質から、長寿の象徴ともされています。
「譲り葉(ゆずりは)」が持つ意味:家系の存続と継承
お餅の間に挟んだり、添えたりする「譲り葉」には、家族の絆に関する意味があります。
世代交代の円滑さ: 譲り葉は、春に新しい葉が出た後、それを見届けるように古い葉が落ちていきます。この様子を「親が子に代を譲る」姿に重ね、家系が絶えることなく、代々健やかに続いていく「子孫繁栄」の願いが込められています。
円満な引き継ぎ: 譲り葉という名前自体が、家督を円満に譲るという縁起の良い言葉として大切にされてきました。
その他の装飾品に込められた願い
裏白や譲り葉以外にも、鏡餅を彩る道具にはそれぞれ意味があります。
橙(だいだい): 一度実がつくと数年は落ちないことから、「代々」家が栄えるようにという願い。
昆布(こんぶ): 「よろこぶ(喜ぶ)」の語呂合わせ。また「子生(こぶ)」と書いて子宝を願う意味もあります。
串柿(くしがき): 「幸せをかき(柿)集める」という意味。串に刺さっていることから、中睦まじい家族の象徴でもあります。
鏡餅を飾る時期と片付ける時期
飾る日: 12月28日が最も良いとされています。「8」は末広がりで縁起が良いためです。29日は「二重苦」、31日は「一夜飾り」として神様に失礼にあたるとされるため避けるのが一般的です。
鏡開き: 一般的には1月11日に行います。年神様の力が宿ったお餅をいただくことで、一年の無病息災を願います。
まとめ:伝統を知り、心を込めて新年を迎える
鏡餅の飾り一つひとつには、厳しい冬を超えて新しい春を迎えようとする先人たちの、家族への深い愛情と願いが詰まっています。
裏白に清らかな心を誓い、譲り葉に家族の安泰を願う。こうした意味を意識しながら鏡餅を供えることで、新しい一年がより一層、意味深く、希望に満ちたものになるはずです。
形を整えるだけでなく、その背景にある「心」を大切にしながら、清々しい気持ちで新年をお迎えください。
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