どれが好き?日本の美味しいタケノコ種類図鑑~特徴とおすすめの食べ方~
春になるとスーパーや直売所に並び始めるタケノコ。独特の風味とシャキシャキとした歯ごたえは、まさに春を代表する味覚ですよね! でも、タケノコと一口に言っても、実は色々な「種類」があるんです。
種類によって、大きさも形も、そして味や食感も違うんですよ。あなたが普段食べているタケノコは、どの種類でしょうか?この記事では、日本で特によく食べられているタケノコの種類と、それぞれの魅力、そして一番美味しく味わえるおすすめの食べ方をご紹介します。
さあ、一緒に美味しいタケノコの種類図鑑を覗いてみましょう!
まずはここから!私たちの食卓でおなじみの代表的なタケノコ
日本で一般的に「タケノコ」として流通しているものの多くは、これからご紹介する代表的な種類です。それぞれの特徴を知れば、タケノコ選びがもっと楽しくなりますよ。
1. モウソウチク(孟宗竹)
私たちが「タケノコ」と聞いて一番に思い浮かべるのは、このモウソウチクかもしれません。大きくてずっしりとしていて、市場に出回るタケノコのほとんどがこの種類です。
- 特徴: 根元が太く、ずんぐりとした円錐形。皮の色は茶褐色で、黒っぽい斑点があります。繊維が柔らかく、えぐみが比較的少ないのが特徴です。大きいものだと、掘りたてはアク抜きなしでも食べられると言われるほどですが、一般的にはアク抜きが必要です。
- 旬の目安: 地域にもよりますが、一般的に春の初め頃から出回ります。
- おすすめの食べ方:
- 煮物: 柔らかく、味が染み込みやすいので、定番の煮物にぴったり。鰹節や昆布と一緒に煮ると、より風味が豊かになります。
- たけのこご飯: ご飯と一緒に炊き込むと、タケノコの風味と食感が楽しめます。
- 炒め物: 細切りにして、他の野菜や肉と一緒に炒めても美味しいです。
2. マダケ(真竹)
モウソウチクよりも少し遅い時期に旬を迎えるマダケ。すらっと細長い形が特徴です。
- 特徴: モウソウチクよりも細長く、皮はやや緑がかっています。皮の表面に毛はありません。繊維質ですが、シャキシャキとした歯ごたえが魅力です。モウソウチクよりもアクがやや強い傾向があります。
- 旬の目安: モウソウチクよりも遅く、春の終わり頃から初夏にかけてが一般的です。
- おすすめの食べ方:
- 焼きタケノコ: シンプルに焼いて、醤油や味噌をつけて食べるのがおすすめです。シャキシャキとした食感と香ばしさが楽しめます。
- 炒め物: 細かく切って、きんぴらや炒め物にすると、歯ごたえが活きます。
- 天ぷら: 新鮮なものは天ぷらにすると、マダケならではの風味が味わえます。
3. ハチク(破竹)
マダケと似ていますが、さらに細長い形が特徴のハチク。名前の由来は、「節ごとに皮が破れる」様子からきていると言われています。
- 特徴: モウソウチクやマダケよりもさらに細く、スラリとしています。皮の色は緑っぽく、薄いです。アクが少なく、さっぱりとした上品な味わいが特徴です。
- 旬の目安: マダケと同じく、春の終わり頃から初夏にかけてが一般的です。
- おすすめの食べ方:
- 汁物: アクが少ないので、味噌汁や吸い物の具にぴったりです。上品な風味が汁物に溶け込みます。
- 炒め物: 細切りにして炒めると、シャキシャキ感が楽しめます。
- 天ぷら: サクッとした食感が楽しめます。
知る人ぞ知る?地域ならではのタケノコ
地域によっては、上記以外にも美味しいタケノコが食べられています。その中でも、特に有名なものを一つご紹介します。
ネマガリタケ(根曲がり竹)
主に東北地方や信越地方などの、積雪の多い地域で採れる希少なタケノコです。雪の重みで根元が曲がっていることから、この名前がつきました。
- 特徴: 細くて、根元がキュッと曲がっています。皮の色は緑色。強い風味と、サクサクとした独特の食感が特徴です。アクは少ないです。
- 旬の目安: 地域によって異なりますが、一般的に初夏頃に収穫されます。
- おすすめの食べ方:
- 味噌汁: 地域によっては定番の食べ方です。ネマガリタケの風味が味噌汁全体に広がります。
- 焼き物: シンプルに焼いて、マヨネーズや味噌をつけて食べるのもおすすめです。
- 煮物: 煮物にすると、独特の食感が楽しめます。
これらのタケノコは、それぞれの地域で採れたてのものが味わえることが多いです。もし旅先などで見かけたら、ぜひ試してみてくださいね。
美味しいタケノコを選ぶ&新鮮さを保つコツ
美味しいタケノコを味わうためには、選ぶ時のポイントと、買ってきた後の保存方法も大切です。
- 選び方:
- 形: 太くてずっしりとしているもの、根元が丸みを帯びているものが美味しいと言われています。(種類によって形は異なります)
- 皮の色: 全体的にハリがあり、ツヤがあるものが新鮮です。皮が乾燥していたり、シワが寄っていたりするものは避けましょう。
- 切り口: 切り口がみずみずしく、白っぽいものが新鮮です。時間が経つと切り口が乾燥したり、黒ずんできたりします。
- 穂先: 穂先が開きすぎていないものの方が、アクが少なく柔らかいことが多いです。
- 保存方法:
- 手に入れたらすぐに、乾燥しないように新聞紙などで包み、冷蔵庫の野菜室で保存します。立てて保存するのがベストです。
- ただし、タケノコは鮮度が命! 買ってきたその日のうちにアク抜きをするのが、美味しく味わうための最大のポイントです。
タケノコ料理の基本!アク抜きの方法
ほとんどのタケノコは、そのまま調理するとえぐみや苦味があります。これを取るのが「アク抜き」です。代表的なモウソウチクのアク抜き方法をご紹介します。(ハチクやネマガリタケなど、アクが少ない種類もあります)
【基本的なアク抜き方法(米ぬか使用)】
- タケノコの皮を2~3枚剥き、穂先を斜めに切り落とします。根元の硬い部分も切り落とします。
- 縦に1本の切り込みを入れます。(火の通りを良くし、アクを抜けやすくするため)
- 大きめの鍋にタケノコを入れ、タケノコが隠れるくらいの水、米ぬか一掴み、唐辛子1本(あれば)を入れます。
- 落し蓋をして火にかけ、沸騰したら吹きこぼれないように弱火にし、タケノコの根元に竹串がスッと通るまで1時間~2時間(大きさによります)茹でます。
- 火を止めたら、茹で汁につけたまま、完全に冷めるまで置いておきます。(これがアクを抜く重要なポイントです!)
- 冷めたら皮を剥き、水でぬめりを洗い流せばアク抜き完了です。
米ぬかがない場合は、生のお米を少量(大さじ2~3杯程度)代わりに入れてもアク抜きできます。アク抜きしたタケノコは、水に浸けた状態で冷蔵庫で保存し、毎日水を取り替えれば数日持ちますが、早めに調理して食べるのがおすすめです。
種類別!もっと美味しく食べるアイデアレシピ
アク抜きしたタケノコは、色々な料理で美味しく味わえます。種類ごとの特徴を活かした、おすすめの食べ方アイデアをご紹介します。
- モウソウチク:
- 定番!煮物: 他の根菜や油揚げと一緒に、優しい出汁でじっくり煮込む。
- 風味豊か!たけのこご飯: 鶏肉や人参、油揚げなどと一緒に炊き込みご飯に。
- 中華風炒め: オイスターソースなどで味付けして、シャキシャキ感を中華風に楽しむ。
- マダケ:
- シンプルイズベスト!焼きタケノコ: 皮付きのまま焼いて、熱々をいただく。
- ご飯のお供に!きんぴら風: ごぼうや人参と一緒に甘辛く炒める。
- おつまみにも!バター醤油炒め: バター醤油で香ばしく炒めるだけで絶品。
- ハチク:
- 上品な味わい!お吸い物: わかめや豆腐と一緒に、上品な出汁でいただく。
- 素材を味わう!天ぷら: サクッとした衣と中のさっぱりとした食感がたまらない。
- 彩り豊か!和え物: 他の野菜や海藻と和えて、さっぱりとした副菜に。
- ネマガリタケ:
- 郷土の味!ネマガリタケの味噌汁: 採れたての風味をそのまま味わう。
- 香ばしい!焼きネマガリタケ: 皮ごと焼いて、熱々を剥きながら食べる。
ご紹介した以外にも、地域ならではの美味しいタケノコ料理がたくさんあります。ぜひ色々なレシピを試してみてくださいね。
まとめ:タケノコの世界は奥深い!お気に入りを見つけよう
タケノコの種類によって、こんなに色々な特徴や美味しい食べ方があるなんて、驚きましたか? モウソウチクの柔らかさ、マダケのシャキシャキ感、ハチクの上品さ、ネマガリタケの風味…。それぞれに違った魅力があります。
普段何気なく食べているタケノコも、種類や特徴を知ることで、もっと美味しく、もっと楽しく味わえるはずです。今年の春は、色々な種類のタケノコを試して、あなただけのお気に入りを見つけてみませんか?
美味しいタケノコを味わって、日本の豊かな森の恵みを感じてくださいね!