日本の森林が元気になる秘密!「間伐」ってなあに? amazingな効果と私たちにできること
私たちは日頃、きれいな空気や美味しい水、そして美しい景色など、森林からたくさんの恵みを受け取って暮らしています。緑豊かな日本の風景は、私たちの心も癒してくれますよね。
でも、実は日本の森林の多くは、人の手によるお手入れが必要な状態になっているんです。そのお手入れの代表的なものが、今回お話しする**「間伐(かんばつ)」**という作業です。
間伐って言葉は聞いたことがあるけど、具体的に何をしているんだろう? なぜ必要なんだろう? と思う方もいるかもしれません。今回は、間伐の正体と、間伐が私たちの森や暮らしにどんな素晴らしい効果をもたらしてくれるのかを、分かりやすくお話ししますね。
森のお手入れ?「間伐(かんばつ)」ってなあに?
間伐とは、主に人工林で、木が密集しすぎた場所で、成長途中の木を一部「間引いて」伐採する作業のことです。
日本の森林の約半分は、戦後、木材として利用するために人の手によって植えられた「人工林」です。これらの人工林は、苗木を植えた後、順調に成長して木々が増えていきます。例えるなら、たくさんの苗を植えた畑のようなイメージです。
木が小さいうちは良いのですが、どんどん大きくなってくると、木と木の間が狭くなって、ぎゅうぎゅう詰めになってしまいます。そうすると、全ての木に十分な日光が当たらなくなったり、地面の養分や水分を取り合ったりするようになるんです。
そこで必要になるのが、この「間伐」というお手入れ。込み合っている中から、成長が悪かったり、形が悪かったりする木を選んで切ることで、残った木がのびのびと育つスペースを作ってあげるんですね。まるで野菜の間引きや、込み合った歯を矯正するようなものと言うと、イメージしやすいでしょうか。
ぎゅうぎゅう詰めの森だと、どんな困ったことが起きるの?
間伐をしないで、木が密集しすぎたまま森を放置しておくと、色々な問題が起きてしまいます。
- 木が弱くなってしまう: 日光が十分に当たらないため、木は光を求めてひょろひょろと細く背が高く伸び、幹も根も十分に太く強く育つことができません。
- 森の中が暗くてじめじめ: 地面に日光が届かないため、草や低木が生えにくくなります。生き物が隠れたり食べ物を見つけたりする場所が減り、生物の種類(生物多様性)が少なくなってしまいます。
- 災害に弱くなる: 根が浅く、地面もむき出しになりがちなので、大雨が降ったときに雨水が地面に染み込まず、一気に流れ出やすくなります。木の根が地面をしっかり掴んでいないため、土砂崩れが起きるリスクも高まります。
- 水の恵みが減る: 雨水が地面にゆっくりと吸収されずに流れてしまうので、きれいで安定した水を生み出す森の力が弱くなってしまいます。
手入れをしない森は、見た目が美しい緑であっても、実はちょっと不健康な状態なのです。
間伐すると、森は見違えるように元気に! そのamazingな効果とは?
一方、適切に間伐が行われた森は、たくさんの良い効果をもたらしてくれます。間伐は、森を健康な状態に導くための、まるで魔法のような作業なんです!
- 残った木がイキイキ元気に育つ: 間引かれてスペースができた木は、たっぷりの日光と養分を受け取って、幹は太く、根はしっかりと大地に張って強く育ちます。
- 災害に強い安心な森になる: 根がしっかり張った木は、地面を力強く押さえて土砂崩れを防いでくれます。また、間伐で地面に光が届き下草が生えることで、雨水がゆっくりと地面に染み込みやすくなり、洪水や渇水を防ぐ効果も期待できます。
- きれいで美味しい水が生まれる: 地面に染み込んだ雨水は、森の土や根の間をゆっくりと通る間にろ過され、きれいな水になります。間伐された健全な森は、私たちの飲む水を育む「緑のダム」としての役割も果たしてくれるんです。
- 様々な生き物の楽園に: 森の中が明るくなり、地面に多様な植物が生えるようになると、それを食べる昆虫や、それを狙う鳥や動物など、たくさんの生き物が戻ってきて賑わいます。森の生物多様性が豊かになるんですね。
- 地球温暖化を防ぐ力が高まる: 元気に育っている木ほど、光合成によって空気中の二酸化炭素をたくさん吸収してくれます。間伐で健康になった森は、地球温暖化を防ぐためにも大きな役割を果たしているんです。
- 新しい木材資源が生まれる: 間伐によって伐採された木も無駄になりません。私たちの暮らしに役立つ木材として活用されます。
間伐は、森に光と風を入れ、「森の深呼吸」を助けることで、森が本来持っている様々な素晴らしい力を引き出してくれるんですね。
【もっと知りたい!】間伐された木って、その後どうなるの?
間伐された木は、細かったり曲がっていたりするものもありますが、決して無駄になるわけではありません。間伐材は、様々な形で私たちの暮らしに役立てられています。
例えば、家を建てる時の柱や梁といった建築材の一部になったり、家具の材料になったりします。また、割り箸や紙の原料、段ボールの材料としても利用されています。
最近では、間伐材を使ったおしゃれな木工品や雑貨などもたくさん見かけるようになりました。さらに、燃やすことでエネルギーを生み出す「バイオマス燃料」としても注目されています。
間伐された木をしっかり活用することは、新しい木を育てることにも繋がり、森林を循環させていく上でとても大切なことなんです。「地元の森で採れた木を使おう!」という意識も広がってきていますね。
私たちの暮らしと間伐。何ができるかな?
間伐は、林業に携わる方々が大変な労力をかけて行っている作業です。急斜面での作業や、伐採した木を運び出すなど、危険も伴います。
私たちの暮らしと間伐は一見離れているように見えるかもしれませんが、健康な森から生まれる空気や水、災害が少ない安全な環境など、実は間伐の恵みを私たちは毎日受け取っています。
日本の森林をこれからも元気にしていくために、私たちにできることは何でしょうか?
- 日本の森林に関心を持ってみましょう: 近くの里山や森林公園を訪れて、森の様子を観察してみるのも良いですね。間伐されたばかりの明るい森と、手入れが行き届いていない薄暗い森を見比べてみると、違いがよく分かるかもしれません。
- 「間伐」という言葉を覚えておく: ニュースや地域のお知らせで「間伐」という言葉を見かけたら、「ああ、森を元気にするための大切なお手入れなんだな」と思い出してみてください。
- 間伐材や国産材を使った製品を選んでみる: もし機会があれば、間伐材や国産材が使われている家具や雑貨、建築材などを選んでみるのも、森を応援することに繋がります。
- 森林に関するイベントに参加してみる: 地域によっては、森林整備の体験会や森林浴イベントなども開催されています。参加してみることで、森をより身近に感じられるかもしれません。
間伐は、未来の森を育てるための大切な投資です。この活動を理解し、応援していくことが、私たちの豊かな暮らしを守ることに繋がるのです。
まとめ
間伐は、木が密集しすぎた人工林を間引くことで、残った木を元気に育て、森が持つ「緑のダム」機能や、災害を防ぐ力、そして生き物を育む力を高める、とても大切なお手入れです。
間伐された木も、私たちの暮らしの中で様々な形で活かされています。
間伐によって健康になった日本の森林は、私たちの未来の安全や豊かさを守る宝物です。ぜひ、身近な森や「間伐」という言葉に少しでも関心を持っていただけたら嬉しいです。
未来に、青々と茂る元気な森を引き継いでいくために、私たち一人ひとりが森を応援していきましょう!