【知ってる?】実はすごい!私たちの暮らしと日本の森林・林業の話
こんにちは!突然ですが、皆さんは普段、身の回りにある「山」や「森」のことをどれくらい意識していますか?ちょっと遠い存在のように感じるかもしれませんが、実は日本の森林やそこで働く林業の皆さんは、私たちの毎日の暮らしをそっと、そして力強く支えてくれているんです。
今回は、そんな日本の森林・林業の「今」を知って、もっと身近に感じてもらうためのお話をしたいと思います。「林業?ちょっと難しそう…」と思ったあなたも大丈夫!分かりやすい言葉で、きっと「へぇ!」と思ってもらえる情報をお届けしますね。
日本の森林ってどんな状況? 〜高齢化する森と人の課題〜
日本の国土を見てみると、実はその面積の約7割が「森林」だって知っていましたか?世界的に見ても森林が多い、緑豊かな国なんです。
特に戦後、国の政策でたくさんの木(スギやヒノキが多いです)が植えられました。これらの木が大きく成長し、今まさに「使い頃」を迎えているんです。
でも、残念ながら全ての森がちゃんと手入れされているわけではありません。木が密集しすぎていたり、枝打ちや間伐(間引き)が十分に行われていない森も増えています。まるで、床屋さんに行きそびれて髪が伸び放題になった状態、というとイメージしやすいでしょうか?
しっかり手入れされない森は、木が弱ってしまったり、地面に光が届かずに草木が育たず、土がむき出しになってしまったりします。
さらに、森を育て、守る「林業」のお仕事も、働く方の高齢化が進んでいたり、人手が足りていないという課題を抱えています。一生懸命育てた木を運び出すにも、人手や機械が必要ですもんね。
海外から安い木材がたくさん入ってくるようになったこともあり、国産の木材があまり使われなくなってしまった時期もありました。これも、日本の森林・林業が抱える大きな課題の一つです。
なぜ森林・林業が大切なの? 〜暮らしを支える森のすごい力〜
じゃあ、手入れされていない森が増えたり、林業が衰退したりすると、私たちの暮らしにどんな影響があるのでしょう?実は、森林には私たちの想像以上にたくさんの「すごい力」があるんです。
- きれいな水を守る「緑のダム」 山に降った雨は、森の土や木の根っこに蓄えられます。まるで天然のダムのようにゆっくりと時間をかけて濾過され、きれいな水が川へ流れ出します。私たちが普段飲んでいる水や、田んぼや畑を潤す水は、森が育んでくれていると言っても過言ではありません。
- 土砂崩れを防ぐ「強い根っこ」 森の木々は、地面の下にしっかりと根を張っています。この根っこが土をつなぎ止めてくれるおかげで、大雨や地震の時に土砂崩れが起きにくくなります。私たちの家や道路を災害から守ってくれる、大切な役割です。
- 地球温暖化を防ぐ「空気清浄機」 木は成長する過程で、空気中の二酸化炭素(CO2)を吸収し、酸素を出してくれます。地球温暖化の原因となるCO2を減らすことは、地球全体の大きな課題ですよね。森は、このCO2を吸収して木の中に「炭素」として蓄えてくれる、天然の空気清浄機なんです。伐採された木材も、使われている間は炭素を固定しているので、積極的に木を使うことも地球温暖化対策につながるんですよ(これを「カーボンニュートラル」なんて言ったりもします)。
- たくさんの生き物の「大切なすみか」 森には、鳥や虫、動物、そしてたくさんの種類の植物など、実に多様な生き物が暮らしています。手入れされた豊かな森は、こうした生き物たちのバランスが保たれた、かけがえのない生態系を育んでいます。
- 暮らしに役立つ「恵みを生み出す」 もちろん、木材そのものも森の大切な恵みです。家を建てたり、家具を作ったり、紙になったり。最近では、CLT(直交集成板)のような新しい木材製品も登場し、大きな建物の構造材としても使われるようになってきました。国産材を使うことは、日本の山にお金が巡り、森を元気にすることにもつながります。
- 心と体を癒やす「特別な場所」 森林浴が気持ちいい、森の中にいると癒やされる。そう感じたことはありませんか?森には、私たちの心と体をリフレッシュさせてくれる力があります。美味しい空気、鳥のさえずり、木漏れ日…五感を通して自然を感じることは、日々の疲れを癒やし、活力を与えてくれます。
林業の仕事って大変?どんな未来があるの? 〜新しい技術と若い力〜
林業と聞くと、「きこりさん」が大きなノコギリで木を切っている…そんな昔ながらのイメージを持っている方もいるかもしれません。もちろん、体力を使う大変な仕事であることには変わりありませんが、今の林業は大きく変わってきています。
高性能な林業機械が導入され、一本の木を伐採して枝払い、玉切りまでをあっという間にこなすことができます。上空からドローンを使って森の状況を調べたり、ICT(情報通信技術)を活用して効率的に作業を進めたりと、どんどん新しい技術が取り入れられています。
働く人も、山村地域で代々林業を営んできた方だけでなく、都市部から移住してきたり、全く違う仕事から転職してきたりと、若い世代や新しい力が増えてきています。「山守」として森と向き合う仕事に魅力を感じる人が増えているんですね。
林業は、単に木を切るだけでなく、苗木を植え、草を刈り、枝を払い、間伐をして、そして大きく育った木を収穫し、次の世代に森を引き継いでいく、とても息の長い仕事です。未来の森を育てる、夢のある仕事だと言えるでしょう。
私たちにできることって? 〜森とつながる第一歩〜
日本の森林・林業の現状や大切な役割を知って、「何か自分にもできることはないかな?」と思ってくれたら嬉しいです。私たち一人ひとりにも、森とつながり、応援できることがたくさんあります。
- 「木づかい」を意識してみる 例えば、家具やフローリングを選ぶときに、国産材を使っているか少し意識してみる。割り箸ではなく、繰り返し使えるお箸を使ってみる。お子さんと一緒に木のおもちゃで遊んでみる。「木を使い、森を育てる」という良い循環に参加するイメージです。
- 森を守る取り組みを知る・応援する 自治体によっては、森林を守るための独自の税金(森林サービス税など)を導入しているところもあります。また、間伐材を使ったイベントやワークショップに参加してみるのも良いでしょう。ふるさと納税で、森林保全に取り組んでいる自治体を応援することもできます。
- 森に関心を持つ・情報をチェックする まずは日本の森林や林業に関心を持つこと、これが第一歩です。ニュースを見たり、関連する本を読んだり、SNSで情報を集めてみたり。知ることで、自分にできることが見えてくるはずです。
- 森林ボランティアに参加してみる もし体力に自信があれば、森林ボランティアに参加してみるのも素敵な経験です。植樹や下草刈りなど、実際に体を動かして森づくりに関わることで、森の大切さを肌で感じることができます。ハードな作業ばかりでなく、ウォーキングをしながら森を観察するようなプログラムもありますよ。
まとめ
日本の森林・林業は、解決すべき課題も抱えていますが、私たちの暮らしや未来にとって、なくてはならない宝物です。きれいな水、安全な土地、そして豊かな自然環境は、森が健全に保たれているからこそ享受できるものです。
今回の話をきっかけに、少しでも日本の森林や林業に興味を持っていただけたら嬉しいです。難しく考えず、身近なところから森とのつながりを感じてみてください。あなたが森に関心を持つこと、そしてできることから行動してみることが、日本の豊かな森を未来へつないでいく大きな一歩になります。
ぜひ、今日からあなたの「木づかい」や「森づかい」を始めてみませんか?