庭木の伐採、どうする?気になる「縁起」や「供養」、そして「費用」の全て!
大切に育ててきた庭木。でも、大きくなりすぎてお隣に迷惑をかけたり、日当たりが悪くなったり、根っこが邪魔になったり…。「そろそろ伐採するべきかな?」そう考えたとき、ふと頭をよぎるのが「縁起」や「供養」のこと、そして「費用はどれくらいかかるんだろう?」という疑問ではないでしょうか。
今回は、そんな庭木の伐採にまつわる様々な疑問を、分かりやすく、そして心を込めて解説します。これを読めば、きっと安心して庭木と向き合い、次のステップに進めるはずですよ。
庭木を伐採したい!そもそも「縁起が悪い」って本当?
庭木を伐採する際に「縁起が悪いのでは?」と心配になる方は少なくありません。日本には古くから、自然の中に神様や精霊が宿るという「八百万の神」の考え方があります。特に、長く生きてきた木には「木霊(こだま)」が宿り、家や家族を守ってくれる存在だと信じられてきました。
そのため、木の命を奪うことへの罪悪感や、神聖な存在を傷つけることへの恐れから、「伐採は縁起が悪い」と感じる方がいるのです。
しかし、木も生き物ですから、病気になったり、寿命を迎えたり、時には私たち人間や住まいにとって危険な存在になってしまうこともあります。そんな時、「感謝の気持ち」を持って、適切に対処することは、決して縁起の悪いことではありません。むしろ、放置してトラブルになる方が、よほど良いことではないでしょう。大切なのは、木への敬意と感謝の心です。
伐採の前に「供養」や「お清め」は必要?心のケアを大切に
「縁起が悪い」という心配があるなら、伐採の前に「供養」や「お清め」を考えるのも良いでしょう。これは、木に宿る精霊への感謝と、伐採することへの許しを請う気持ちを形にするものです。法的な義務はありませんが、行うことで心の区切りがつき、安心して作業を進められる方も多いですよ。
自分でできる!簡単な「お清め」の方法
大掛かりなことはしたくないけれど、気持ちの整理はつけたい…という方には、ご自身でできる簡単なお清めがおすすめです。
- 感謝の気持ちを伝える:伐採する木の前に立ち、これまで家を見守ってくれたことへの感謝と、伐採せざるを得ないことへのお詫びを心の中で伝えます。
- 塩と酒で清める:伐採する木の根元周辺、四隅に、少量のお清めの塩と清酒をまきます。これは、その場を清める意味があります。
- 合掌する:最後に、手を合わせて合掌し、心を込めて祈ります。
このシンプルな儀式だけでも、気持ちが楽になるはずです。
専門家にお願いする「樹木伐採清祓(じゅもくばっさいきよはらい)」や「樹木供養」
より正式な形でお清めや供養を行いたい場合は、地域の神社に「樹木伐採清祓」を依頼したり、お寺に「樹木供養」をお願いしたりする方法もあります。
- 費用相場: 初穂料(お布施)として、5,000円〜15,000円程度が目安です。これに加えて、神主さんや僧侶さんの交通費(お車代)が必要になる場合もあります。
- 依頼先: 地域に根差した氏神様を祀る神社や、お付き合いのあるお寺に相談してみましょう。
- 日取り: 特に決まりはありませんが、気になる方は暦(六曜など)を見て吉日を選ぶこともできます。
無理に行う必要はありませんが、心のわだかまりが残るようであれば、検討してみるのも良いでしょう。
プロに頼むといくら?庭木伐採・抜根・処分の費用相場
いざ庭木を伐採するとなると、気になるのが費用ですよね。木の高さや太さ、作業の難易度によって大きく変動します。
伐採費用(木を切る料金)の目安
木の高さで費用が変わります。
木の高さ | 費用相場(1本あたり) |
低木(〜1.5m) | 3,000円〜5,000円 |
中木(2m〜3m) | 4,000円〜7,000円 |
高木(3m〜5m) | 8,000円〜15,000円 |
高木(5m以上) | 15,000円〜30,000円 |
抜根費用(切り株を抜く料金)の目安
伐採後、切り株を残したくない場合は「抜根(ばっこん)」作業が必要です。切り株の直径や、根の張り方によって費用が変わります。
切り株の直径 | 費用相場(1本あたり) |
〜15cm | 3,000円〜5,000円 |
15cm〜30cm | 4,000円〜7,000円 |
30cm〜50cm | 7,000円〜25,000円 |
50cm以上 | 25,000円〜50,000円 |
※特に竹は地下茎が広範囲に伸びるため、抜根費用が高額になる傾向があります。
処分費用(切った木を捨てる料金)の目安
伐採した木や抜根した根の処分にも費用がかかります。
- 軽トラック1台分: 6,000円〜10,000円程度
- 45Lゴミ袋1袋分: 500円前後
- その他: 量や業者によって、別途見積もりとなる場合があります。
その他、費用に影響する要素
- 木の太さ: 同じ高さでも幹が太いほど高くなります。
- 作業場所の状況: 重機が入れるか、搬出経路が狭いか、電線や建物に近いかなど。
- 特殊な作業: クレーン車など重機の使用が必要な場合(重機使用料:20,000円〜200,000円/日)。
- 緊急性: 危険木などで急を要する場合。
- 地域差: 業者や地域によって料金体系が異なります。
複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。
自分で庭木を伐採・処分するのは可能?注意点と危険性
「費用を抑えたいから自分で伐採しようかな?」と考える方もいるかもしれません。しかし、庭木の伐採は見た目以上に危険を伴う作業です。
自分で伐採できるのは「高さ3m以下」が目安
自分で安全に伐採できるのは、高さが3m以下で、幹の直径が20cm未満の木が目安とされています。それ以上の高さや太さの木、あるいは電線に近い、建物に隣接している、足場が悪いといった場所の木は、プロに任せるのが賢明です。
DIY伐採の危険性
- 落下の危険: 脚立やはしごからの転落。
- 木の倒れる方向の予測ミス: 家屋の破損、隣家への損害、人身事故。
- 感電: 電線に接触する。
- 怪我: チェーンソーやノコギリの扱いを誤る。
- シロアリ被害: 切り株を放置することで発生。
無理をして大事故に繋がる前に、少しでも不安がある場合は専門業者に相談しましょう。
自分で処分する方法
伐採した枝や木材の処分には、いくつかの方法があります。
- 自治体のゴミ収集: 細かく切って自治体指定のゴミ袋に入れれば、「燃えるゴミ」や「資源ごみ」として出せる場合があります。ただし、一度に出せる量や大きさに制限があることが多いので、必ず自治体のルールを確認してください。
- クリーンセンターへの持ち込み: 大量に出る場合は、ご自身で地域のクリーンセンター(清掃工場、処理場)に持ち込むと、比較的安価に処分できます。運搬用の車両が必要になります。
- ウッドチップ化(ガーデンシュレッダー): 枝などを細かく砕いてウッドチップにする機械(ガーデンシュレッダー)を購入またはレンタルし、庭のマルチング材や堆肥として再利用する方法です。環境に優しく、ゴミも減らせます。一部の自治体ではガーデンシュレッダーの貸し出しも行っています。
まとめ:庭木との良いお別れのために
庭木の伐採は、単に木を切るだけでなく、これまで家を見守ってくれた木への感謝の気持ちを伝える大切な区切りでもあります。縁起や供養の心配は、心の持ちようで乗り越えられますし、プロの力を借りれば安心・安全に作業を進めることができます。
「この木、どうしようかな…」と悩んだら、まずは見積もりを取ったり、自治体の情報を調べたりして、一歩踏み出してみましょう。そして、庭木との良いお別れ、そして新しい庭の始まりを迎えられるよう、この記事がそのお役に立てれば嬉しいです。