【看護観とは?】レポート・面接で「伝わる」看護観の作り方と例文で徹底解説!
看護学生の皆さん、あるいは転職を考えている看護師さんにとって、「あなたの看護観は何ですか?」という問いは、レポートや面接で必ずと言っていいほど聞かれる重要な質問ですよね。「看護観って、どう表現すればいいんだろう?」「ありきたりな内容にならないかな?」と、頭を悩ませる方も多いのではないでしょうか。
ナース専科の情報を参考に、この記事では、「看護観」とは一体何なのか、その見つけ方や深め方、そしてレポートや面接で相手に「伝わる」看護観を構築し、効果的に表現するための具体的な例文を交えながら徹底的に解説します。あなた自身の看護観を明確にし、自信を持って語れるようになるためのヒントを見つけましょう!
そもそも「看護観」って何?なぜ重要?
「看護観」とは、あなたが看護師として患者さんや医療、そして自分自身とどう向き合い、どのような看護を提供したいと考えているか、その根本となる考え方や信念のことです。単なる理想論ではなく、これまでの経験や学びを通して培われた、あなたなりの「看護」に対する価値観と言えるでしょう。
なぜ看護観が重要なのか?
あなたの看護師としての軸を示す: 看護観は、あなたがどんな看護師になりたいのか、どんな看護を実践したいのかという、あなたの**看護師としての「軸」**を明確に示します。
個性をアピールする: 同じ看護師でも、一人ひとり異なる看護観を持っています。あなたの独自の視点や価値観を伝えることで、他の人とは違うあなたの個性や強みをアピールできます。
働く上でのモチベーション: 困難な状況に直面した時や、壁にぶつかった時に、自分の看護観に立ち返ることで、原点を見つめ直し、モチベーションを維持するための指針となります。
ミスマッチを防ぐ: 面接などで看護観を共有することで、病院側もあなたの考え方や目指す看護を理解し、入職後のミスマッチを防ぐことにも繋がります。
「伝わる」看護観を見つける・深める3つのステップ
「自分の看護観って何だろう?」と漠然としている方も大丈夫です。以下のステップで、あなたの看護観を具体的に掘り下げてみましょう。
ステップ1:原体験を振り返る
あなたの看護観の原点となっているのは、これまでの人生で看護や医療、人との関わりにおいて心が動かされた経験です。
なぜ看護師を目指したのか?:
幼い頃の体験、病気になった家族のケア、医療ドラマやニュースを見て感じたこと。
誰かの役に立ちたい、人を支えたいと思ったきっかけ。
実習やアルバイトでの経験:
患者さんとの印象的な出会い、感謝された経験。
「もっとこうすれば良かった」と後悔した経験。
看護師の先輩の行動に感銘を受けた瞬間。
個人的な病気や怪我の経験:
自分が患者の立場になって感じたこと、看護師にしてもらって嬉しかったこと。
「こんな看護師になりたい」と強く思った瞬間。
これらの経験から、**あなたが看護において「何を大切にしたいか」「どんな時にやりがいを感じるか」**というキーワードを書き出してみましょう。(例:患者さんの気持ちに寄り添う、笑顔を引き出す、安心を提供する、回復を支援する、多職種連携、学び続ける姿勢、など)
ステップ2:具体的なキーワードを絞り込む
ステップ1で書き出したキーワードの中から、特にあなたが重要だと考えるもの、あなたの看護師像を最もよく表すものをいくつかピックアップします。
例えば、「患者さんの気持ちに寄り添う」というキーワードであれば、具体的に「傾聴」「個別性」「尊厳」といった言葉に繋がるかもしれません。
「回復を支援する」であれば、「自立支援」「生活の質(QOL)向上」「希望」といった言葉が考えられます。
これらのキーワードは、後で看護観を構成する際の柱となります。
ステップ3:将来の理想像を描く
あなたは将来、どんな看護師になっていたいですか?
どんな患者さんに、どのように貢献したいか。
どんな医療チームの一員として働きたいか。
どんな知識やスキルを身につけたいか。
具体的な理想像を描くことで、あなたの看護観に深みが増し、説得力が増します。
レポート・面接で「伝わる」看護観の構成と例文
あなたの看護観を、レポートや面接で効果的に伝えるためには、分かりやすい構成で話すことが重要です。
基本的な構成
結論(私の看護観は〇〇です): まず、あなたの看護観を一言で明確に述べます。
具体例(なぜそう考えるのか): その看護観を持つに至った具体的な経験や学びを簡潔に説明します。
具体的な行動(どのように実践したいか): その看護観を、今後どのように実践していきたいのか、具体的な行動や姿勢を示します。
将来の展望(目指す看護師像): 将来的にどんな看護師になりたいか、意欲を伝えます。
例文
例文1:【「患者さんの『ありのまま』を受け止め、寄り添う看護」を重視する場合】
私の看護観は、**「患者さん一人ひとりの『ありのまま』を受け止め、その方の人生に寄り添う看護」**です。
私がこの看護観を抱くようになったのは、学生時代の老年看護実習での経験がきっかけです。ある認知症の患者さんが、過去の記憶を混乱して話されることがありました。最初はどのように対応すればよいか戸惑いましたが、傾聴を続けるうちに、その方にとってそれが現実であり、その思いを否定せず受け止めることが、安心に繋がるのだと気づきました。
この経験から、私は病気だけでなく、患者さんの背景にある人生や価値観、そしてその時の感情を丸ごと受け止めることの重要性を学びました。
貴院で働く上では、患者さんの言葉だけでなく、表情や仕草からも思いを汲み取り、個別性を尊重したケアを実践していきたいと考えています。また、ご家族の思いにも耳を傾け、多職種と連携しながら、患者さんがその人らしく過ごせるよう、質の高いサポートを提供できる看護師を目指します。
例文2:【「患者さんの『自己決定』を尊重し、自立を支援する看護」を重視する場合】
私の看護観は、**「患者さんが主体的に治療に参加し、自己決定を尊重しながら、その方らしい自立を支援する看護」**です。
以前、病棟で長期入院されている患者さんが、ご自身の退院後の生活について不安を抱き、リハビリへの意欲が低下している場面に遭遇しました。その際、看護師として一方的に指導するのではなく、患者さんの不安な気持ちに耳を傾け、「何ができるようになりたいか」「どんな生活を送りたいか」という思いを丁寧に引き出すことで、患者さんが自ら目標を立て、リハビリに前向きに取り組めるようになった経験があります。
この経験を通して、看護師の役割は、ただ医療行為を行うだけでなく、患者さん自身の「治る力」や「生きる力」を引き出し、最大限に尊重することにあると強く感じました。
今後は、貴院の地域包括ケアの理念に共感し、患者さんが住み慣れた地域で安心して生活できるよう、退院後の生活を見据えた支援を積極的に行いたいと考えています。患者さんが自身の可能性を信じ、諦めずに前に進めるよう、寄り添い、共に歩んでいける看護師を目指して日々研鑽を積んでいきたいです。
「伝わる」看護観にするための追加のコツ
自分の言葉で話す: 借りてきたような言葉ではなく、あなた自身の言葉で、心から思っていることを話しましょう。
具体的に表現する: 抽象的な表現だけでなく、具体的なエピソードや行動を交えることで、聞く側はイメージしやすくなります。
応募先の病院の理念と結びつける: 応募先の病院が掲げる理念や特徴を事前に調べ、あなたの看護観がその病院でどのように活かせるかを繋げて話すと、志望度の高さもアピールできます。
笑顔とアイコンタクト: 面接では、自信を持って、笑顔でアイコンタクトを取りながら話すことで、あなたの熱意がより伝わります。
まとめ:あなたの看護観は、あなた自身の「物語」
「看護観」は、あなたという看護師を形作る大切な要素です。それは、特別な経験から生まれるものではなく、日々の学びや人との関わりの中で、少しずつ育まれていくものです。
今回ご紹介したステップと例文を参考に、ぜひあなた自身の看護観を深く掘り下げ、あなただけの「物語」として表現してみてください。それはきっと、あなたの看護師としてのキャリアを豊かにし、面接官やレポートの読み手の心に響く、力強いメッセージとなるはずです。