個人事業主なら知っておきたい!青色申告のメリット・デメリットを徹底解説
「個人事業主になったら、青色申告が良いって聞くけど、具体的に何がいいの?」「なんだか手続きが難しそう…」
そう思っていませんか? 確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類がありますが、多くの個人事業主が青色申告を選ぶのは、そこに大きなメリットがあるからです。
この記事では、あなたが青色申告を選ぶべきかどうかの判断に役立つよう、そのメリットと、知っておくべきデメリットを分かりやすく解説します。この記事を読めば、青色申告への疑問が解消され、あなたの事業にとって最適な選択ができるはず。さっそく見ていきましょう!
青色申告ってどんな制度?
青色申告は、事業所得や不動産所得などがある方が、一定の要件を満たして税務署に申請することで利用できる、税制上の優遇措置が受けられる申告方法です。
最大のポイントは、単式簿記よりも厳密な「複式簿記」で帳簿をつけ、その帳簿に基づいて所得や税額を計算・申告すること。この手間をかける代わりに、国がさまざまな節税メリットを与えてくれる、というイメージです。
青色申告の大きなメリット!税金がこんなに変わる!?
青色申告を選ぶ最大の理由は、やはりその節税効果にあります。具体的にどんなメリットがあるのか見ていきましょう。
1. 青色申告特別控除で所得を大幅カット!
これが青色申告の最大の魅力です! 所得税の計算の元になる所得から、最大で65万円を差し引くことができます。
65万円控除の条件:
複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を作成していること。
**e-Tax(電子申告)**で申告するか、電子帳簿保存を行っていること。
55万円控除の条件:
複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を作成していること(書面提出の場合)。
10万円控除の条件:
簡易帳簿で記帳している場合。
例えば、事業所得が300万円だった場合、65万円控除を適用すると、課税対象となる所得は235万円になります。この差額にかかる所得税や住民税が丸ごと安くなるので、手元に残るお金が大きく増えることになります。これは、事業の運転資金や将来への投資に回せる大切な資金です。
2. 青色事業専従者給与で家族もビジネスパートナーに!
あなたと一緒に事業を手伝っている家族(生計を一にする配偶者や親族)がいる場合、その家族に支払った給与を全額、事業の経費にすることができます。
ただし、事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出し、支払う給与が労働の内容に見合った適正な金額である必要があります。この制度を使えば、世帯全体での税負担を軽減できる可能性があります。
3. 純損失の繰越控除で赤字も無駄にしない!
事業を始めたばかりの頃や、経済状況によっては、赤字になってしまう年もあるかもしれません。そんな時でも青色申告なら安心!
その年に出た赤字(純損失)を、翌年以降最大3年間にわたって繰り越すことができます。例えば、今年100万円の赤字が出たとして、来年50万円の黒字が出たら、その黒字と相殺して来年の所得税をゼロにできる、といった具合です。この制度は、事業のリスクヘッジとしても非常に有効です。
4. 少額減価償却資産の特例で一括経費計上!
通常、パソコンや10万円以上の事業用備品などは「減価償却」といって、数年かけて少しずつ経費に計上しなければなりません。
しかし、青色申告者であれば、取得価額30万円未満の減価償却資産を、その購入した年に全額経費として計上することができます(年間合計300万円まで)。これは、事業で必要な備品などを導入する際のキャッシュフローを助ける大きなメリットです。
青色申告のデメリット:ちょっとだけ頑張る必要があること
メリットが多い青色申告ですが、いくつか知っておくべきデメリットもあります。
1. 事前の手続きが必要
青色申告を始めるには、事業を開始した日(または青色申告したい年の3月15日)までに、税務署へ「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。この申請を忘れてしまうと、その年は青色申告ができません。
2. 複式簿記での記帳が原則
これが青色申告の最大のハードルと感じるかもしれません。複式簿記は、一つの取引を「借り方」「貸方」に分けて記録する方法で、簿記の知識が必要です。
しかし、最近は弥生会計やfreee、マネーフォワードクラウド会計といった会計ソフトが非常に高性能になっており、指示に従って入力するだけで自動で複式簿記の帳簿を作成してくれます。簿記の専門知識がなくても、十分対応できるようになっていますので、過度に心配する必要はありません。
3. 添付書類の準備が必要
確定申告書だけでなく、貸借対照表と損益計算書という2種類の決算書を作成し、申告書と一緒に提出する必要があります。これも会計ソフトを使えば自動で作成できますが、白色申告に比べると書類が増えます。
あなたは青色申告を選ぶべき?
結論から言うと、個人事業主で継続的に所得がある方なら、ほとんどの場合、青色申告がおすすめです。
最初は会計ソフトの操作や簿記のルールに戸惑うかもしれませんが、一度覚えてしまえば、その後の節税効果は非常に大きいです。税金として出ていくお金を減らせる分、事業に再投資したり、貯蓄に回したりと、あなたのビジネスの成長や未来の安定に直結します。
まとめ:青色申告で賢く節税!あなたの事業を応援しよう
青色申告は、手続きの手間はかかるものの、それを補って余りあるほどの税制上のメリットがあります。特に最大65万円の青色申告特別控除は、個人事業主にとって非常に大きな節税効果をもたらします。
もしあなたが「確定申告、どうしよう…」と悩んでいるなら、ぜひ青色申告にチャレンジしてみてください。今は優れた会計ソフトがたくさんありますし、税務署の相談窓口や税理士といった専門家のサポートも充実しています。
賢く青色申告を活用して、あなたの事業をさらに強く、そして豊かなものにしていきましょう!